著名人では、7月に亡くなった劇作家のつかこうへいさん=享年62=も、やはり肺がんの告知を受け、それを周囲に公表する一方で、病室から電話で演劇指導する最期を送っている。
「充実した余生を送る」といった理由などから、日本では最近、がん告知が増えつつある。その一方で、皆が梨元さんやつかさんのように、強く生きられるわけではない。医療の現場では「末期患者を悲観させる」など慎重論も根強くあるのが現実だ。
「20年ほど前には、がん告知を推進する立場の医師も『初期のがんは告知しても末期がんは告知しない』というスタンスだった」。がん告知問題に詳しい兵庫医科大の笹子三津留教授は、告知をめぐる状況の変化をそう話す。
それが平成になって徐々に告知が増えていった。医療技術の向上や、ホスピスなど終末期医療施設の増加も告知を後押しした。
笹子教授は「自身のがんを真っ正面から見据えて闘病し、有意義に最期を迎えることを望む人が増えた」と、背景を説明する。
終末期医療に関する厚生労働省研究班で主任研究者を務めた経験がある国立保健医療科学院の林謙治院長は「ケース・バイ・ケースだが」と前置きした上で、「告知するほうが患者のためになる」と話す。
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